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<茶の湯に用いられた京の名水>
伏見稲荷大社の南、石峯寺の南西にある。
今は使われておらず、蓋がされている。
近年の宅地開発などで水が枯れてしまった。

住所 : 京都市伏見区深草野手町
付近の見所 : 石峯寺



(撮影 : 2010年12月17日)

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「茶碗子の水」の周辺はこんな感じ。
「茶碗子の水」の周辺はこんな感じ。
「茶碗子の水」の井戸
「茶碗子の水」の井戸
「茶わんこの井戸」の石標
「茶わんこの井戸」の石標
隣にある地蔵堂
隣にある地蔵堂
「茶碗子の水」の説明を書いた駒札
「茶碗子の水」の説明を書いた駒札
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茶碗子の水

伏見稲荷大社から南へ300mほど下がったところ、伊藤若冲の石仏群で有名な石峯寺から南西へ100mほど行ったところに、「茶碗子(ちゃわんこ)の水」といわれる名水の井戸があります。
住宅街の道路わきにあるその井戸は、今は使われておらず、上からステンレス製の丸い蓋が被せられ、冬の太陽光を反射して鈍い銀色の光を放っていました。井戸の横には、小さな「街のお地蔵様」の祠と、井戸の由来を説明した駒札がひとつあるのみです。道行く人の中にも、これが「京の名水」と、果たして誰が気づくでしょう(駒札には日・英・中・韓の4ヶ国語の説明文が記載されていました。日本人でも訪れる人は少ないと思うのですが・・・)。
ということで、わざわざ遠くから観光目的でここへ行く必要はないと思いますが、近くへ来られたときは、出来れば一度立ち寄ってみるのも良いかも知れません。
しかしとにかく、井戸が枯れる前は(宅地開発や下水道工事などで最近枯れてしまったのだそうです)、地元の人々がこの井戸の水で野菜を洗い、また昔は茶の湯にも用いていた、まさしく名水でありました。駒札には、次のような説明が書かれています。
『伝えによれば昔、都に住む茶人が、いつも宇治橋より、宇治川の水を汲ませて、茶の湯に用いていた。ある時、使いの者が水を汲んでの帰り道、この近くまできて、水をこぼしてしまった。使いの者はこの湧水を持ち帰って知らぬ顔をしていた。いつもの水と違うことを主人は見破った。問いつめられた使いの者は恐る恐る一部始終を話したところ、主人に叱られるどころか、宇治川の水よりも良いとほめられ、その後は宇治までの遠出の必要がなくなったという』
京都の名水は、近年次々と姿を消しつつあります。本当に残念ですね。